A級戦犯とは何だ! (脚注)

 

注@「国際軍事裁判所条例

昭和20年(1945)8月、ロンドン会議において、米・英・仏・ソの4カ国により制定。この条約に基いてニュールンベルグ裁判が開かれ、ナチス・ドイツの指導者が裁かれた。


 

注Aニュールンベルグ裁判

昭和20年(1945)11月20日、西ドイツ南部・バイエルン州の都市ニュールンベルグで、ドイツ第三帝国の最高幹部たちを裁いた世界史上初めての国際裁判。


 

注Bパリの不戦条約

昭和3年(1928)8月27日、パリで調印された戦争放棄に関する条約。米・英・仏・独・伊など15力国が調印。のち61、2力国に増えた。国際紛争を平和的手段で解決することを申し合わせたもの。


 

注Cクラウゼヴィッツ Karl von Clausewitz (1780〜1831)

プロイセンの軍人。士官学校で兵学を学ぶ。陸軍大学校長時代にナポレオンの戦争を分析して著わした『戦争論』は、戦争理論の吉典的名著として、各国の戦争技術の基礎として重視されている 。主な内容は、戦争の本質、戦争の理論、戦略論、戦闘、防禦、攻撃(草案)、作戦計画(草案)などについて述べている。


 

注D交戦法規

戦時に交戦国の間に適用される法規の総称で、狭義の戦時法規をいうこともある。


 

注E法の不遡及の原則(事後法禁止の原則)

行為の時にその行為が犯罪として刑罰を科せられるものと定められていなかった場合、その後に定めた法律の効力を行為の時までさかのぼらせて及ぼし、行為者を処罰することは許さないという原則 。日本国憲法第39条前段に「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない〕と定められている。


 

注F罪刑法定主義

刑法の根本原則で、いかなる行為が犯罪であるか、その犯罪に対していかなる刑罰が科せられるかをあらかじめ定めておかなくては、人を罰することは許されないという原則。1810年のフランス刑法がこの原則を宣言して以来、各国の刑法は、これにならい同様の明文をおいている。


 

注G『東京裁判』国際シンポジウム

昭和58年(1983年)5月28・29日の両日、元巣鴨拘置所跡のサンシャイン・シティで行われたこのシンポジウムては、東京裁判の11名の判事中ただ1人の生残りであるB・V・A・レーリンク博士(オランダ)をはじめ、リチャード・マイニア教授(米国)、白忠鉉教授(韓国)等内外関係者参加のもとに、東京裁判について純粋学問的立場から再検討が行われた 。詳細は「国際シンポジウム『東京裁判を問う』」(講談社刊)を参照。


 

注H「平和に対する罪」で裁かれた人々(いわゆる「A級戦犯」)

 

東條英機(とうじょう ひでき

明治の戦略家として有名な東條英教中将の長男として、明治17年東京に生まれた。陸軍士官学校、陸軍大学校卒業後、スイス、ドイツに駐在し、陸軍大学校教官、参謀本部第1課長、陸軍省軍事調査部長などを経て、昭和10年関東軍憲兵隊司令官、昭和12年関東軍参謀長、昭和13年には第1次近衛内閣の陸軍次官となった 。

 

東條は皇道派に対しては統制派、北進派に対しては大陸派に属していたが、派閥には比較的中立で、むしろ官僚として有能であったといわれる。昭和15年には第2次、昭和16年には第3次近衛内閣の陸軍大臣となり、部内の強硬論を代表して日独伊3国同盟締結と対米英開戦を主張した。昭和16年、首相兼陸相に就任と同時に陸軍大将に昇進、大東亜戦争へと突入したが、その間内務大臣、軍需大臣、参謀総長などの重要ポストも兼任、戦争遂行の任にあたったが、昭和19年7月、戦局の極度悪化とともに総辞職した 。敗戦後「A級戦犯」として東京裁判で起訴されて絞首刑の判決を受け、昭和23年12月23日処刑された。

 

板垣征四郎(いたがき せいしろう)

陸軍大将、支那派遣軍総参謀長・近衛内閣および平沼内閣の陸軍大臣。

 

土肥原賢二(どいはら けんじ)

陸軍大将、在満特務機関長・陸軍航空総監。

 

松井石根(まつい いわね)

陸軍大将、中支方面軍司令官。

 

木村兵太郎(きむら へいたろう

陸軍大将、.近衛内閣および東條内閣陸軍次官・ビルマ派遣軍司令官。

 

武藤章(むとう あきら)

陸軍中将、陸軍省軍務局長。

 

廣田弘毅(ひろた こうき)

駐ソ大使・斎藤内閣および近衛内閣外務大臣・首相。

 

荒木貞夫(あらき さだお)

陸軍大将、犬養内閣および斎藤内閣陸軍大臣・近衛内閣および平沼内閣文部大臣。

 

橋本欣五郎(はしもと きんごろう)

陸軍大佐、大日本赤誠会統領。

 

畑俊六(はた しゅんろく)

陸軍元帥、阿部内閣および米内内閣陸軍大臣・支那派遣軍総司令官。

 

平沼騏一郎(ひらぬま きいちろう)

首相・枢密院議長・国本社会長。

 

星野直樹(ほしの なおき)

満州国総務長官・東條内閣書記官長。

 

賀屋興宣(かや おきのり)

近衛内閣および東條内閣大蔵大臣。

 

木戸幸一(きど こういち)

近衛内閣文部大臣・同厚生大臣・平沼内閣内務大臣・内大臣。

 

小磯國昭(こいそ くにあき)

陸軍大将、朝鮮総督・平沼内閣および米内内閣拓務大臣・首相。

 

南次郎(みなみ じろう)

陸軍大将、若槻内閣陸軍大臣・関東軍司令官・朝鮮総督。

 

岡敬純(おか たかずみ)

海軍中将、海軍省軍務局長。

 

大島浩(おおしま ひろし)

陸軍中将、駐独大使。

 

佐藤賢了(さとう けんりょう)

陸軍中将、陸軍省軍務局長。

 

嶋田繁太郎(しまだ しげたろう)

海軍大将、東條内閣海軍大臣・軍令部総長。

 

白鳥敏夫(しらとり としお)

駐伊大使。

 

鈴木貞一(すずき ていいち)

陸軍中将、近衛内閣および東條内閣国務大臣兼企画院総裁。

 

梅津美治郎(うめづ よしじろう)

陸軍大将、廣田内閣、林内閣および近衛内閣陸軍次官・関東軍司令官・参謀総長。

 

東郷茂徳(とうごう しげのり)駐独大使・駐ソ大使・東條内閣および鈴木内閣外務大臣。

 

重光葵(しげみつ まもる)

駐英大使・駐華大使・東條内閣および小磯内閣外務大臣。

 

松岡洋右(まつおか ようすけ)

国際連盟会議への主席代表・近衛内閣外務大臣。

 

永野修身(ながの おさみ)

海軍大将、廣田内閣海軍大臣・軍令部総長。


 

注I大川周明(おおかわ しゆうめい)

満鉄東亜経済局理事長。


 

注J岸信介(きし のぶすけ)

東條内閣商工大臣・同国務大臣兼軍需次官。


 

注Kサンフランシスコ対日平和条約《Treaty of Peace With Japan》第11条(英語正文)

Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan, and will carry out the sentences imposed thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan. The power to grant clemency, to reduce sentences and to parole with respect to such prisoners may not be exercised except on the decision of the Government or Governments which imposed the sentence in each instance, and on the recommendation of Japan. In the case of persons sentenced by the International Military Tribunal for the Far East, such power may not be exercised except on the decision of a majority of the Governments represented on the Tribunal, and on the recommendation of Japan.


 

注L反対論

例えば、メキシコ代表の発言は、次のようなものでした。「われわれは、できることなら、本条項が連合国の戦犯裁判の結果を正当化しつづけることを避けたかった。あの裁判の結果は、法原則と必ずしも調和せず、特に“法ナケレバ罪ナク、法ナケレパ罰ナシ”という近代文明の最も重要な原則、世界のあらゆる文明諸国の刑法典に活用されている原則と調和しないと、われわれは信ずる 。」


 

注M戦争犯罪による受刑者の赦免に閲する決議  

衆議院本会議(昭和28年8月3日)

〈決議文〉

8月15日9度目の終戦記念日を迎えんとする今日、しかも独立後すでに15箇月を経過したが、国民の悲願である戦争犯罪による受刑者の全面赦免を見るに至らないことは、もはや国民の感情に堪えがたいものがあり、国際友好の上より誠に遺憾とするところである 。しかしながら、講和条約発効以来戦犯処理の推移を顧みるに、中国は昨年8月日華条約発効と同時に全員赦免を断行し、フランスは本年六月初めに大減刑を実行してほとんど全員を釈放し、次いで今回フィリピン共和国はキリノ大統領の英断によって、去る22日朝横浜ふ頭に全員を迎え得たことは、同慶の至りである 。且又、来る8月8日には濠州マヌス島より165名全部を迎えることは衷心欣快に堪えないと同時に、濠州政府に対して深甚の謝意を表するものである。

かくて戦犯問題解決の途上に横たわっていた最大の障害が完全に取り除かれ、事態は、最終段階に突入したものと認められる秋に際会したので、この機を逸することなく、この際友好適切な処置が講じられなければ、受刑者の心境は憂慮すべき事態に立ち至るやも計りがたきを憂えるものである 。われわれは、この際関係各国に対して、わが国の完全独立のためにも、将又世界平和、国際親交のためにも、すみやかに問題の全面的解決を計るべきことを喫緊の要事と確信するものである 。

よって政府は、全面赦免の実施を促進するため、強力にして適切且つ急速な措置を要望する。

右決議する。


 

注N援護法附則第20項

日本国との平和条約第11条に掲げる裁判により拘禁された者(以下「被拘禁者」という)が、当該拘禁中に死亡した場合(被拘禁者が軍人軍属であった在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより当該拘禁中に死亡した場合を除く)で、かつ、厚生大臣が当該死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めたときは、その者の遺族に遺族年金及び弔慰金を支給する 。

この場合においては、改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法の規定による遺族年金及び弔慰金(第34条第1項の規定により支給するものをいう)に関する規定を準用する。


 

注O恩給法が逐次改正

昭和28年改正

昭和28年4月から勅令第68号により、恩給を受ける権利又は資格を失った戦犯者に対し、恩給を受ける権利又は資格を取得させた(昭和28年法律第155号附則第29条)が、拘禁中は年金たる恩給を停止し、一時恩給等は支給を差し止めた 。

 

昭和29年改正(議員修正)

(イ) 拘禁中の者に妻、子、父、母等がある場合には、その者の指定する者に年金又は一時金を給することとし、(昭和28年法律第155号附則第29条第4項)

(ロ) 拘禁者が刑死又は獄死した場合には、その遺族に公務扶助料相当額の扶助料を給することとした。(昭和29年法律第200号附則第四項)

 

昭和30年改正(議員立法)

(イ) 戦犯拘禁前の公務員としての在職年(加算年を含む)が普通恩給最短年限未満の者については、普通恩給最短年限に達するまでを限度としてその拘禁期間を通算することとした。(昭和28年法律第155号附則第24条の3)

(ロ) また、在職中の職務に関連して拘禁された者が、拘禁中自己の責に帰することのできない事由により傷痕疾病にかかった場合には、公務傷病とみなして相当の恩給を給することとした 。(昭和28年法律第155号附則第29条の2)

 

昭和33年改正

上記(イ)の通算条件を緩和し、拘禁前の公務員としての「実在職年」が普通恩給最短年限未満であれば、普通恩給最短年限に達するまでを限度として拘禁期間を通算することとした 。(昭和28年法律第155号附則第24条の3改正)

 

昭和45年改正

海外における拘禁期間について1月につき1月の加算年に準ずる割増しを認めた。(昭和28年法律第155号附則第24条の12第2項)

 

昭和46年改正

拘禁期間を通算する場合における普通恩給最短年限に達するまで等の制限を撤廃し、戦犯拘禁期間はすべて通算することとした。(昭和28年法律第155号附則第1114条の12改正)

 

昭和48年改正

戦犯として逮捕されたが有罪の判決を受けなかった者の未決拘禁期間についても、有罪の判決を受けた者の拘禁期間と同様に通算の対象とすることとした。(昭和28年法律第155号附則第24条の3改正)

 

宗教法人令改正(昭和21年2月2日)

附則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 本令施行ノ際現二地方長官ノ保管二係ル神社明細帳二記載セラレタル神宮、神社及別格官幣社靖国神社ハ之ヲ宗教法人令(以下単ニ令ト称ス)二依ル法人(以下宗教法人卜称ス)ト看做ス前項ニ掲グル宗教法人ハ令第三条ノ例二準ジ其ノ規則ヲ作リ之ヲ主管者ノ氏名及住所ト共ニ本令施行ノ日ヨリ六月内ニ地方長官ニ届出ヅベシ 前項ノ規定ニ依ル届出ヲ為サザルトキハ当該宗教法人ハ同項ノ期間満了ノ時二於テ解散シタルモノト看做ス


 

注P「宗教法人令改正」(昭和21年2月2日)

附則

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

本令施行ノ際現二地方長官ノ保管二係ル神社明細帳二記載セラレタル神宮、神社及別格官幣社靖国神社ハ之ヲ宗教法人令(以下単ニ令ト称ス)二依ル法人(以下宗教法人卜称ス)ト看做ス前項ニ掲グル宗教法人ハ令第三条ノ例二準ジ其ノ規則ヲ作リ之ヲ主管者ノ氏名及住所ト共ニ本令施行ノ日ヨリ六月内ニ地方長官ニ届出ヅベシ

前項ノ規定ニ依ル届出ヲ為サザルトキハ当該宗教法人ハ同項ノ期間満了ノ時二於テ解散シタルモノト看做ス